場外論
場外と手球の跳ねは密接に関係してきます。
この記事、非常に長いです。
レールが手球の高さよりも高いので手球はレールブレイクした時に必ず跳ねるということは前回説明しました。
物体が斜めに跳ねたときに軌道は放物線を描きます。
ブレイク時に手球の跳ねの度合いはトビが関係してきます。
トビが少なければ手球の跳ねも少ないと言うことですね。
ではここで手球の跳ねの度合いが同じときを考えましょう。
初めの手球位置と着地位置との距離
をLとします。
放物線の頂点はL/2です。1番手球が高い位置にあるときですね。
手球位置からラックまでの距離をRとします。
次のように場合分けします。
- R<=L/2
- L/2<R<L
- L =R
- L<R
理科的な話が苦手な人は以下の太字部分だけ読んでください。
1の場合。
手球はラックに衝突するまで上昇しています。つまりベクトルが上向きと横向きです。
このときにラックに衝突すると並進運動のエネルギーはラックに伝達されその大半を失います。
しかし上昇するためのエネルギーは阻害されるものが無い(厳密には重力に阻害されている)ので上向きのベクトルに変化はありません。
さらにラックの上面に衝突するのでラックからの反作用で上向きのエネルギーがプラスされます。
つまり1.では手球は非常に打ち上がりやすいのです。
2.の場合。
手球は放物線の頂点を過ぎたので下降を始めます。つまりベクトルは下向きと横向きです。
このときにラックに衝突すると1.と同じく並進運動のエネルギーはラックに伝達され大半を失います。
下向きのエネルギーはラックからの反作用で上向きのエネルギーがプラスされます。
下向きのエネルギーと上向きのエネルギーで相殺されて上向きのエネルギーは1.の場合よりも小さくなります。
2.の場合、1.に比べると手球の跳ねは小さくなります。
3.の場合
厳密に言うとやや違うのですが、このときは並進運動のエネルギーしかありません。
エネルギーの総和は変化しないのでラックに伝わる力は最大になります。
さらにラックからの上向きの反作用も無いため手球の跳ねもありません。
3.では手球は跳ねません。
4.の場合
これもまた場合分けが必要となります。
着地してからバウンドを経て上昇しているとき、下降しているとき、着地したときの場合分けはこれまでの1.2.3.と同じです。
しかし手球は着地する毎にスレートにエネルギーを持っていかれるためだんだんと手球の跳ねは小さくなってきます。
ひとまとめにしてしまうと、1から3の場合に対応して、手球の跳ねは1から3に比べて小さくなる。
つまり弱いブレイクで手球が全く跳ねないのはバウンドを繰り返した結果として上に向かうエネルギーが無くなっているためです 。
ここまでで理科的な話はだいたい終わりです、読み飛ばした人はここから続きをどうぞ。
たまにものすごい勢いで場外して手球がかわいそうなことになっている場面を見かけますね、こんな風に場外する理由を説明します。
極端な例ですが手球の跳ねが非常に大きくラックのギリギリ上をかすめたとき、手球の勢いはほとんどのラックに伝わらないですね。
さらにラックからの上に向かう反作用で手球はより空中に行ってしまいます。
このときに全厚で当たっていればそのままの軌道で真っ直ぐ場外します。
左右に厚みを外していれば左右に場外します。
場外のメカニズムはだいたいこんなもんです。
誰にでもわかるようにエネルギーだとか力だとかはあえて適当に説明してるので理系の諸君は意味のないツッコミをしないように。