当て出し
トラブルがあったり、取り切りの序盤ではどうしてもポジションする過程で他の球に当たってしまうことがあると思います。
例えばこの配置はどうでしょうか?
5番を入れるのは簡単ですが9番にどうしても当たってしまいます。
そこであえて当ててポジションします。
撞点は逆上(右上)です。
9番に当ててからクッションに入れてひねりでポジションさせます。
こういうのを当て出しなんて言ったりします。
当て出しで大事なのは当てる厚みです。
余談ですが昔からビリヤードをしてる人は厚みのことを”当て前”なんて言ったりしますね。
さて、他の的球に当たった後の動きについて考えます。
右に伸びた点線は5番に対する90°分離のライン(ストップショットをしたときの手球の軌道)です。
図ではこのラインよりやや前に手球が出ているので押し球ですね。
5番を度外視して考えると9番に厚めに押し球で当たるのでこんなラインになるのでは?
えー、どう考えてもならないですね。
なぜかというと押しによる回転は次の図の点線矢印の方向だからです。
9番に当たってからの90°分離のラインにこの押し球の成分が加わるので大体実線の矢印のように手球は走ります。
当たり前の話ですが、押しや引きは手球のスピードが遅いほうがラシャと噛んで利きやすいので他の的球に厚めに当たったほうが押しや引きは利きます。
つづく。