ハードブレイクとビリヤードと

ビリヤードの基礎知識から練習方法、あとハードブレイクの方法なんかを書いてきます。私個人の考えを多く含んでいますので意見があれば是非ください。オカルト理論であふれているビリヤードの世界を改善していきたいです。

球質2

次に手球のスピードに関して説明します。
今度は手球の跳ねが衝突時には無いとして話を進めていきます。
対照実験と同じで、色々な要素が絡まったものを複数比較してもしょうがないのでこのように仮定します。

手球の跳ねが無いということは手球がラシャと噛みながら回転して移動している状態です。

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図の赤点線はサイクロイド曲線です。
数ⅢCをやった人なら見たことがあるでしょう。

円が直線上を転がるとき、この円上の一点が描く軌跡をサイクロイド曲線と言います。
図では単位円(半径1の円)ですので、円周は直径(1×2)×π(3.1415...)ですので2πです。

手球が1回転すると、円周の長さだけ移動するということです。

割れる割れないの話はオカルト満載で、ここでもしばしば謎理論が出てくるのです…

ここでのオカルトは手球のオーバースピンです。

オーバースピンとは空転しながら前進運動をしている状態で、極端に言えば2πの距離に到達するまでより細かいサイクロイド曲線を描くことです。

ここではオーバースピンについて議論はしません。


なぜならば手球のオーバースピンは実測として無いという結論が出ているためです。
つまり…
押し球でオーバースピン=空転しながら進む ということはありません。

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ではこの図の2つのラインは手球の跳ねが無いとすると何に依存するのでしょうか?
跳ねが無い=回転量は同じ であるのでこれは関係無いですね。

残る手球の情報は手球のスピードだけなのでこれによってラインが決定されることがわかるでしょう。

以前にクッションの話をしました。
手球のスピードが遅ければ到達点は伸びるということですが、これは手球がクッションと噛む時間が長くなるためにもらいひねりが大きくなるためです。

この話でクッションをラシャに置き換えれば同じことです。
感覚的にわかるとは思いますが、
手球のスピードが遅ければラシャと噛みやすく、早ければラシャと噛みにくい。
ということです。

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点線は手球のスピードが遅いときで、実線は手球のスピードが速いときです。

点線に比べれば実線は割れていると言えるでしょう。
何故強調したかというと、手球が跳ねていないときはあまり割れる割れないと言うことが多くはないからです。


まとめると、
割れない球を撞くためには、
  • 手球の跳ねを抑える。
  • 手球のスピードを抑える。
割れる球を撞くためには、
  • 手球を跳ねさせる。
  • 手球のスピードを上げる

けれども初心のうちは意図的に割れる球を撞く必要はありません。
割れる球にはリスクが潜んでいるためです。

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この図で9と10は同じ振りです。
9のようにイメージボール位置が合っていれば問題なくポケットされますね。
では10のイメージボールを考えます。
点線のイメージボール位置に当たれば問題なくポケットされますが、手球を走らせるラインは同じでも手球が跳ねていて実線のイメージボール位置で衝突するとどうでしょうか?
当然図のように明後日に外れます。

極端に表現してるのでアレですが、手球が跳ねていると厚みがズレるということがわかりますね。

これを縦の厚みとかいったりします。

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あえて跳ねさせて縦の厚みを変えることで図のように厚みが無くてもポケットさせることは不可能ではありませんが、曲球の類なので普段使うことはほぼありません。

普通の球を普通に練習してるのが一番です。